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軍事衝突危機

その1
 2018年も北朝鮮の軍事挑発は続きそうだが、北はせいぜい挑発程度であってわが身を粉砕する先制攻撃は想定していないに違いない。ただ現状の推移では部分衝突という接触はあり得るだろう。そしてもしも先制攻撃があるとしたら米国側になる。2017年12月4~8日に実施された米韓合同軍事演習(ビジラント・エース)では北への先制攻撃を想定した内容で実施された。まさに11月29日に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星15」発射したことを受けた直後ということで軍事戦闘機260機という史上最大規模の軍事訓練となった。

韓国軍事筋の解説によると、この演習は実戦そのものだったようで、米軍が本当に先制攻撃を仕掛けた場合の、その攻撃力は想像を絶したもので、北朝鮮は報復攻撃さえできずに、早ければ1日で壊滅すると考えられています。これまで米国が北朝鮮に対して先制攻撃を実行した場合には、全面戦争に発展するのは避けられず、北朝鮮の報復攻撃によって日米韓は甚大な被害を受けることが予想されてきました。特に非武装地帯の北方に配置された北朝鮮の多連装ロケット砲や長距離砲がいっせいに火を噴き、付近に展開している米陸軍第2歩兵師団が標的になるばかりか、ソウルが火の海に化す悲劇も現実味を帯びていました。

1993年、北朝鮮は核拡散防止条約を脱退した後、核実験と弾道ミサイル「ノドン1号」の発射を強行したことがありました。当時の米国クリントン政権は真剣に北朝鮮の核施設への空爆を検討しました。しかし、万が一にも米国が空爆を実行すれば、朝鮮戦争の再開が危惧され、開戦から90日で米軍の死者5万2千人、韓国軍の死者49万人、韓国の民間人の死者は100万人以上に達するという衝撃のシミュレーション結果を、当時の在韓米軍司令官がホワイトハウスに報告し、攻撃を中止したという経緯がありました。

Webの世界では、居ながらにして多くの情報をルことが出来るし、専門家の意見を聞くことも簡単だ。いま世界の関心事のひとつが北朝鮮の問題だろう。この年末年始に詳しい人たちからの情報をまとめてみた。

 いま、ICBMの完成を目前にして、核弾頭の量産体制に入ったとも見られる北朝鮮の脅威は当時の比ではありません。ICBMが発射されれば、当然、米国本土も無傷では済みません。こうしたことから、米国の先制攻撃は北の反撃を許さない完璧に近いものでなければなりません。

 昨年12月の米韓合同軍事演習(ビジラント・エース)の内容によると、米国の攻撃は段階的に行われますが、最初に出動するのは3機の電子戦機「EA‐18G」で、電磁波を発射して北朝鮮のレーダー網を完全に麻痺させ、さらに対レーダーミサイルで通信基地を破壊します。実際、訓練中にも北朝鮮のレーダー網を麻痺させてしまったようです。このため、北朝鮮はこのときの演習内容をまったく把握できなかったのです。

 こうして北朝鮮の通信網を無力化し、制空権を完全に奪ったところで、ステルス戦闘機のF35AやF22が出動します。迎え撃つ北朝鮮の空軍を相手にすることもなく、ミサイル基地や生物兵器、大量破壊兵器関連施設など最優先のターゲットを次々と精密爆撃で破壊します。もちろん、ソウルを照準にした軍事境界線周辺の長距離砲陣地も完全に叩きます。第二弾の攻撃で反撃能力を潰えさせた後は、ステルス機能のないF-15、F-16戦闘機、B-1B爆撃機が残る主要軍事施設を思うがまま絨毯爆撃するという手順です。

 開戦となれば、金正恩朝鮮労働党委員長は要塞化された地下作戦部に身を潜めますが、通信衛星で金氏の動きは常に捕捉され、バンカーバスター(地中貫通爆弾)を搭載したF-35Aが「金正恩斬首作戦」を実行します。特に重要なのは、260機もの戦闘機の上空で早期警戒管制機「E-8ジョイント・スターズ」という航空機が展開することです。1度に600カ所の目標物をレーダーで探知し、優先順位を決めて、すべての戦闘機に攻撃の指揮、管制をします。おまえはこの基地を撃て、おまえはあそこを撃てというふうに、設定された軍事目標を一気呵成にしらみ潰しにしていくのです。演習ではその指示作業を確認する訓練も行われました。この作戦は実戦を想定したPCでの戦闘動画や演習で完璧に組み立てられています。開戦となれば、これまで考えられていたような反撃能力が北朝鮮に残っているとは思えません。

 もしも先制攻撃を受けた北朝鮮が同時多発的な攻撃を企てたとしても、ほとんどのミサイルが液体燃料のため注入に1~2日かかります。そうした北の動向は日夜偵察されていて、もしキャッチされると戦争準備と認められ、逆に米国にとってみれば先制攻撃の口実になります。すなわち、北の先制攻撃の準備がなければ、戦争はならい公算が大きいので、現実的には、米軍によるこの空前絶後の作戦も封印されることになる。

いざとなれば、これほど大規模な攻撃を実行できるということを北に見せつけ、圧倒的な軍事力の差で北朝鮮を委縮させ、また同時に経済制裁に消極的な中国に圧力を加える効果を狙っています。しかし、北朝鮮が先に先制的な奇襲攻撃を仕掛けてこない限りは、この作戦は実行されません。北の金正恩もそのことを十分承知しているでしょうから、制裁で追い詰められても体制維持のため、今年もレッドラインを超えないぎりぎりの挑発をくり返すことになりそうです。

北朝鮮の狙いは、抑止力を極限まで高めて米国との直接交渉のカードを引き出し、核保有国として認めさせ、自国の安泰を図ることだろう。一方では経済制裁が、北朝鮮を確実に追い詰めている。これがはたして金正恩体制崩壊への導火線となるのか?現在、ガソリンや軽油など石油精製品の輸出を9割削減するという厳しい措置が取られている。北朝鮮は「わが国の自主権への乱暴な侵害、朝鮮半島と地域の平和や安定を破壊する戦争行為」などと強く反発している。軍事的圧力と相次ぐ経済制裁にも北朝鮮サイドは、表面的には強気の姿勢を崩していない。



その2
一時的に対話の情報もありました。米国や日本は、北朝鮮が制裁や軍事的圧力に弱って対話を求めてくると思い込んでいます。当然、対話の前提となるのは、北朝鮮の非核化です。しかし、北朝鮮側はトランプ大統領が譲歩しない限りは対話には応じない姿勢です。仮に、米朝間で交渉が始まったとしても、北朝鮮は弾道ミサイルや核開発の放棄を求められるのですから、決裂は必至だと思われます。結局、落としどころがないのです。このことから先々、武力衝突が起きる可能性がきわめて高いのです。別の選択肢の、金正恩氏が降参するか、トランプ氏が折れるのか、これらの可能性は低いと。

韓国の文在寅大統領は、2月から開催する平昌冬季五輪・パラリンピックへの参加を北朝鮮に呼び掛け、融和ムードを醸し出すのに必死で、2月末に予定されている次回の米韓合同軍事演習も、五輪・パラリンピック後に延期することを米国に求めています。アメリカ軍は演習の内容を日時も含めて公開しないとしています。今週になって北朝鮮から平昌五輪に参加するかもしれないというメッセ-ジがありましたが、メリットはどうなのでしょう、何もありませんね。米国とともに制裁圧力を加えている相手韓国に、わざわざ花を持たせるようなことをするはずがありません。これも単なるポ-ズだけのように見えます。もし平昌冬季五輪への参加が実現したら、米韓の関係がおかしくなるでしょう。

 次の北の挑発はあるのか、ないのか。平昌五輪の最中に弾道ミサイルの発射実験の可能性はあるのか。2月8日の朝鮮人民軍の正規軍創建記念日は、今年70周年を迎えるので、そのタイミングでの、北がアクションを起こす可能性がある。しかし、平昌五輪の最中のアクションは大した利益もなく国際的非難を浴びるだけなので何も起こらない公算が大きいだろう。

万が一、武力衝突が起きても全面戦争へとエスカレートさせないための努力が国際社会の使命だといえる。日本は拉致問題を抱えているので、単にアメリカに追従するだけではなく、北に対する独自の働きかけがあるべきではないだろうか。
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兵庫県の中山間地域に夫婦で住んでいます。
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